「歴史に if はない」というフレーズは、よく目にするが、だれの言葉が出典のかよくわかっていないらしい。
- http://homepage2.nifty.com/Tetsutaro/Writer/N/N045.html
- http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1312531248
- http://www.kotono8.com/2009/01/19ifhistory.html
三番目の松永英明さんのサイトでは、「現時点では、『歴史にmight-have-been(○○だったかもしれない)を導入しない』というE.H.カーが『歴史にifはない』の言い出しっぺ/出典と考えて間違いないように思われます」という推測が述べられている。
ぼくは、 twitter 上での yunishio さんの発言でこの話題を知った。
@2k_cozy OK、了解です。それはそうと、例の「歴史にIFはない」の件、もし手がかりがあったら教えてください。オレもまえに調べたことがあるけど、E.H.カー『歴史とは何か』の一節が、誤解されやすい形で要約されたものではと思ってるところ。これ、探しても出典が見つからないんよ…
— yunishio (@yunishio) 2014, 8月 15
そこで、気になったので、検索をしてみた。
@yunishio @akira090802 @2k_cozy google books で検索したら、一番古くて1896の本に出てきました,"there is no if in history". http://t.co/hBBu3R2ejR
— kohaku (@kohaku_nanamori) 2014, 8月 16
google books で検索した結果、E. H. カーよりは古い本で、 "there is no if in history" という表現を含んだ本がいくか出てきた。google books の "there is no if in history" の検索結果
一番古い用例は、この本。
John Clark Ridpath , "Notable Events of the Nineteenth Century: Great Deeds of Men and Nations and the Progress of the World, in a Series of Short Studies"(Christian Herald, 1896 )
この本の 266 ページだ。
ちなみにこの本は、ネットで全文が読める。
(試訳)
コッホの見えない敵との戦い
コロンブス万国博覧会の成功にはとても消極的な理由があった。コレラが来なかったことだ! 歴史にイフがないというのは全くもって正しい。しかしもしコレラが来ていたら、もし疫病によって我らが偉大なシカゴが覆われてしまっていたら、コロンブス万博はどうなってしまていたであろう?
うーん、どこまで遡れるのだろうか...
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