Wednesday, March 20, 2013

V.ナボコフ"Strong Opinions"から A.トフラーによるインタビュー(1964)


ウラジミール・ナボコフのインタビュー集"Strong Opinions"の感想と冒頭のインタビューの翻訳を前に別ブログに書いた事がある。

”考えることは天才的、書くものは並はずれた作家のもの、喋ると子供みたい”-V. ナボコフ, "Strong Opinions" の感想

あと、同じく"Strong Opinions"中のナボコフによるサルトルの『嘔吐』酷評書評の紹介もしたことが。

ナボコフによるサルトル『嘔吐』(英訳)書評の感想-(V. ナボコフ, "Strong Opinions" から "SARTRE'S FIRST TRY")

1964年のアルヴィン・トフラーによるインタビューも面白かったので頭のところを訳してみた。

- 1958年にアメリカで『ロリータ』を出版したことであなたの名声と財産は一夜で急成長しました。一部の文学愛好家のうちでの好評‐これをあなたは30年以上も楽しんでこられたのですが、-を受ける存在から世界中で知られる問題作の作者として毀誉褒貶を受ける立場になりました。この様な名声の余波のせいで、『ロリータ』の執筆を後悔したことはありませんか? 

V.N. それどころか、1950年ともう一度、1951年 にもう少しでハンバート・ハンバートの黒い日記帳をもう少しで燃やしてしまうところだったのを思い出すとぞっとするよ。そう、僕は、『ロリータ』を後悔したことなんてないよ。彼女は、美しいパズル作品だ‐パズルであると同時にその答えだ。一方がもう一方の鏡像だからね。どう見えるかは見方による。勿論、彼女は、僕の他の作品、少なくとも英語で書いたもの『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』、『ベンド・シニスター』やその他の短編小説をしのぐ出来栄えだ。でも彼女に対して出し惜しみは出来ない。このミステリアスなニンファットには奇妙で、暖かい魅力があるんだ。

-彼女の魅力が暖かなものだというのに賛成する読者や批評家は多くないでしょうが、奇妙なものだという事を否定する人は少ないでしょうね。スタンリー・キューブリック監督すら『ロリータ』の映画化を提案したときに、あなたの言葉を引用して、言っています。「勿論、彼らはプロットを変更することになるだろう。たぶん、ロリータはもっと小さい子になるだろう。あるいは、ロリータを16歳にしてハンバートを26歳にするかな」結局、あなたはご自分で脚本を書かれましたけど、最終的な完成品に満足されていますか?

V.N. 僕は、あの映画は絶対に一級品だと思っている。四人の俳優たちは最高の賛辞に値すると思っているよ。スー・リオンが、朝食のトレイを持ってくるところや車の中で子供っぽくセーターを押しのける場面‐この映画には忘れがたい演出と演技の瞬間が存在するよ。キルティ殺しの場面やヘイズ夫人の死のシーンも傑作だ。ただ、僕はこの作品の制作には一切関わっててないという事は言っておかなくちゃいけない。もし僕が関わっていたら強調されていなかった場面を強調しろといったかもしれない。僕がしたのは脚本を書いただけだ。キューブリックはその中のいいところを使ったんだ。
まだ、ほんとにちょっとだけしか訳してない。余力があれば、続けます。

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