Friday, May 15, 2015

「歴史に if はない」というフレーズの出典は? 

 去年の話だけど、思い出したので、メモ。

「歴史に if はない」というフレーズは、よく目にするが、だれの言葉が出典のかよくわかっていないらしい。

  1. http://homepage2.nifty.com/Tetsutaro/Writer/N/N045.html
  2. http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1312531248
  3. http://www.kotono8.com/2009/01/19ifhistory.html

 三番目の松永英明さんのサイトでは、「現時点では、『歴史にmight-have-been(○○だったかもしれない)を導入しない』というE.H.カーが『歴史にifはない』の言い出しっぺ/出典と考えて間違いないように思われます」という推測が述べられている。

 ぼくは、 twitter 上での yunishio さんの発言でこの話題を知った。

そこで、気になったので、検索をしてみた。
 google books で検索した結果、E. H. カーよりは古い本で、 "there is no if in history" という表現を含んだ本がいくか出てきた。
 
google books の "there is no if in history" の検索結果

一番古い用例は、この本。

John Clark Ridpath , "Notable Events of the Nineteenth Century: Great Deeds of Men and Nations and the Progress of the World, in a Series of Short Studies"(Christian Herald, 1896 )

この本の 266 ページだ。

 ちなみにこの本は、ネットで全文が読める。



(試訳)
コッホの見えない敵との戦い
コロンブス万国博覧会の成功にはとても消極的な理由があった。コレラが来なかったことだ! 歴史にイフがないというのは全くもって正しい。しかしもしコレラが来ていたら、もし疫病によって我らが偉大なシカゴが覆われてしまっていたら、コロンブス万博はどうなってしまていたであろう? 

 しかし、この本でもすでに成語のように扱われていることからして、この本が「歴史に if はない」というフレーズのオリジナルということはないだろう。

 うーん、どこまで遡れるのだろうか...